12.3 やりたいことの見つけ方

更新日 2021年6月27日


やりたいことがある人は強い

社会人になっても多くの人が『やりたいこと』を見つけられない中で、高校生の内に『やりたいこと』を見つけるのは簡単ではありません。

とはいえ、やりたいことが明確な人は、人生でも受験勉強でも大きな力を発揮します。

そして『やりたいこと』は見つけようと思わないと中々見つかりません。

学校や塾では教えてくれませんが、高校生の内から『やりたいこと』を見つける努力をしても損はないと思います。


やりたいことを見つけるための絶対の方法はありませんが、よりゴールを見つけやすくするためのオススメの心がけを紹介します。




知らないモノにあこがれることはできない
①:多くのゴールの選択肢を知る

本気になれる『やりたいこと』を見つけるためには、まず多くの『やりたいこと』の選択肢を知ることが大事です。

知らないモノにあこがれることは絶対にできません


試しに、思い浮かぶ限りの仕事の種類を挙げてみてください。

いくつ挙げられますか?

では、世の中には何種類の仕事があると思いますか?

正解は1万7千種類です。


テレビ/ドラマ/YouTubeなどに出てくる仕事はほんの一部だけです。

数十の仕事しか知らないのに「やりたいことが見つからない」と結論づけてしまうのは早くないでしょうか?


世界にはたくさんの仕事や生き方があります。

それを知ることで「こういう仕事や生き方もあるんだ」「こういう人になりたいな」と気付くことが、ゴール設定につながります。

そのためにはいろんな人と話すこと、ネットで調べてみること、本を読むことをオススメします(読書は現代文には必須ではないですが、この意味では大事です)。




やりたいことは途中で変わる
②:ゴールはその時点で仮設定する

仮設定というと「そんなに軽く決めてしまっていいのか?」と言われそうですが、それで構いません。

なぜかというとゴールを設定し、そのゴールに向かって熱中して取り組む中で、深い気付きを得て、結果として本当にやりたいことを見つけることが多いからです。


実際、多くの人はやりたいことが途中で変わります。

ホリエモン、ZOZOの前澤さん、Softbankの孫さん、イーロンマスク、マイケルジョーダンといった自分のゴールに忠実に生きている人も、やりながらゴールは変わっています。


誰もが使っているアプリを作った人も同じです。

『YouTube』だって最初はデートのマッチングサイトだったのにいつの間にか動画サイトになり、『インスタグラム』だって最初は地図のアプリだったのにいつの間にか写真共有アプリになりました。

やりながらゴールは変わっていくものです。


つまり、とりあえずやってみることがきっかけで、他の人が知らない深い気付きを得て、本当に自分がやりたいことを見つけることが多い、ということです。

逆にいうと、行動しない人は永遠にゴールを見つけられません

だからゴールは仮設定でも問題なくて、大事なのは興味のあることを調べたり、話したり、Twitterで発信したりと、 ちょっとだけ行動してみることです。


そして行動する中で、他に興味あることが出てきたら、迷わずゴールを変えてしまいましょう。

ゴールを途中で変えることは何にも恥ずかしくありません。

多くのゴールを設定して、たくさん行動した方が、結果的に本当にやりたいことが見つかります




目的(インパクト)と手段(職業/資格)は違う
③:『インパクト』で考える

ゴールは『手段』ではなくて、『インパクト』の形で言葉にすることをオススメします。

『手段』というのは、職業とかお金とかスキルなどです。

『インパクト』というのは、誰にどんな変化を起こすのか、誰にどんな影響を与えたいか、ということです。

例えば「医者になる」は『手段』で、「病気で困っている人を助けたい」が『インパクト』です。


多くの人が混同してしまいますが、『手段』と『インパクト』は明確に違うものです。

『インパクト』の意識がないと、短期間は努力できても一生は努力できません。


英語がしゃべれるとかっこいいな、仕事の幅が増えそうだな、といった手段を目的にしたモチベーションでは結局長続きしません。

英語はただの『手段』です。

例えば「英語を使って海外で日本の良さを広めたい」といった『インパクト』を伴うゴール設定をしている人は、強いモチベーションで努力を続けられると思います




行動する中で見えてくるモノがある
④:少しだけ調べて、少しだけ行動してみる

ゴールを仮設定できたら、なんとなくでいいのでゴールに至るまでの道を調べてみてください。

「病気で困っている人を救いたい」なら、活躍しているお医者さんが歩んできた経歴を調べてみる。

「環境問題を解決したい」なら、環境問題を解決しようとしている会社を調べてみたり、そういう活動をしている人の記事を読んでみる。

「世界が驚くようなゲームを作りたい」なら、そういうゲームを作っている会社に就職するにはどうしたらいいか、または自分でゲームを作った人のブログや記事を読む。

「YouTuberになりたい」なら、あなたが好きなYouTuberがどうやってチャンネルを大きくしていったかを調べてみる。


そしてちょっとだけでいいので行動してみることをオススメします。

本当に小さいことで構いません。
・病院で医者に話しかけてみる
・動画を撮ってYoutubeにあげてみる
・プログラム教室に行ってみる


そうしてちょっとだけ行動をするクセをつけると、人より多くの情報に触れることができ、やりたいことを見つけやすくなるはずです。

例えばYoutubeに動画を投稿してみるだけでも、たくさんの発見があると思います。

人気のYoutuberがどれだけの苦労をかけているかも分かると思います。このちょっとした行動を起こさないと一生分からないままです。


もちろん、調べてみた結果として「大学受験は必要ない」となることがあるかもしれません。

でも真剣に調べてみた結果としてその結論を出したなら、それも構わないと思います。

勉強は『目的』ではなくただの『手段』ですから。




(参考)外発的動機より内発的動機?

自分を突き動かすモチベーションは『外発的動機』と『内発的動機』の二つに分けられます。


『外発的動機』とは他の人から与えられるモチベーションです。

例えば「勉強するとお小遣いがもらえるから」「友達がほめてくれるから」「勉強しないと親に怒られるから」といったモチベーションです。


一方で『内発的動機』とは自分の中から湧き上がってくるようなモチベーションです。

「これをやってみたい」とか「こんなことを成し遂げたいからこの大学に入りたい」という動機です。


『外発的動機』だけでがんばってきても、それは一生は続かないため、どこかで必ず挫折します。

大学に入学したら、高校のときほど成績なんて気にしませんし、全員を共通指標で測る『偏差値』なんてモノも存在しなくなります。

徐々に「人よりできるか?」でなくて「何をやるか?」が重要になってきて、他の人と比べる機会は減っていきます

大変な苦労の末に東大に合格しても、残念ながら入学後に目的意識を失って廃人のような生活を送る友人も少なからずいました。

これが外発的動機の弊害だと思います。


ただし受験という短期目標をうまく乗り越えた人の中には「東大に入るとモテるから」「自慢できるから」といった外発的動機をモチベーションにしている人が多いのも事実です。

それは自然なことだと思います。

ですから、勉強を始めたきっかけが外発的動機だったとしても、少しずつ内発的動機を持てるように意識を変えていくのがいいと思います。





本コラムのまとめ

  • 多くのゴールの選択肢を知る。
  • ゴールはその時点で興味あるモノに仮設定する。
  • ゴールを『インパクト』で言葉にする。
  • ゴールに至るまでの道を調べ、少しだけ行動してみる。